今年も「4.9反核燃の日」に結集しよう

 現在もなお本格操業見込みが立たない六ヶ所再処理工場は、ウラン濃縮工場、低レベ
ル放射性廃棄物埋設施設、高レベル放射性廃棄物一次貯蔵施設と一緒に、電気事業連合
会が1984年4月20日に下北半島に立地要請したものです。その後、当時の北村青森県知
事は、県民の声を聞くそぶりを見せつつ、六ヶ所村のむつ小川原開発用地内に建設する
ことに合意して、1985年4月9日開会の青森県議会全員協議会で受け入れを表明しまし
た。原子力発電所に比べて膨大な放射能を取り扱う施設なのに、その受け入れまで1年
も掛けない、駆け足の受諾でした。
 なお、この歴史経過については、必ずしも正しくないことが分かっています。実はむ
つ小川原開発用地が売れずに困っていたので、核燃事業を青森県に誘致したというの
が、当時の山内副知事が生前に書き残した、「回想 県政50年」に示されています。そ
れによると、電気事業連合会の立地要請は、北村知事と予め示し合わせた結果だという
のです。つまり、県民を騙して進めたというのが事実です。
 その後、核燃施設はどんどん建設が始まりましたが、いま振り返ってみると、どの事
業も事実上破綻しているのが明らかです。ウラン濃縮工場は既に止まっており、次期後
継機開発は失敗し、次々機が2010年から運転できるかどうかも分からない。まして、濃
縮機器のリプレースで出る核のゴミの行き場も決まっていません。また各原子力発電所
では低レベル放射性廃棄物の搬出が遅れ、埋設ピットが野ざらしの状態で劣化が始まっ
ています。そして、海外返還の高レベル放射性廃棄物のフランス分は満杯だが、イギリ
ス分にいたっては何時返されるかのめどさえも立っていません。更には、1997年12月に
竣工予定の再処理工場は、竣工前最後のアクティブ試験で、高レベルガラス固化体の製
造不調が続き、竣工が8月に延期されました。特に、再処理工場内の度重なるトラブル
が続き、原子力委員長でさえも、呆れ果てている様子が原子力安全白書に見て取れま
す。
 これまでの核燃施設の事業の進捗によって、経済的なメリットを感じていた県内関係
者も、ここまでトラブルが続くと、不安が隠せないようです。まして、国の安全審査を
全面的に信じてきた青森県や周辺自治体は、核燃事業の失敗で核燃料税が減収し、わず
かな交付金を周辺自治体で奪い合う始末です。
 三方を海に囲まれ、山の恵みにも恵まれ、農業も盛んな青森県は、自然との共存を大
事にして、今後とも豊かな恵みを享受できるはずです。それなのに、核燃施設との同居
を進めていけば、核のゴミに汚染されたイメージが先行してしまいます。
 以上見てきたように、まさに故・北村知事が核燃サイクル施設を受け入れたことの間
違いが、ここにきて明らかとなってきました。それなのに、三村青森県知事はは方向転
換をしようとしていません。まして日本原燃の幹部は、電力会社からの出向で、現場の
仕事を把握するものが皆無に近かったことが明らかとなっています。勿論、そのような
無責任な面々は、ここまで進めて来た核燃サイクル施設の失敗の責任も取らずにいるの
です。
 電力業界内部には、原子力ルネッサンスが合言葉のようですが、「もんじゅ」も「六
ヶ所再処理工場」も事実上失敗しています。嘘で固めた「原子力が環境に優しい」とい
う宣伝を繰り返した彼らは、その過ちを真摯に反省すべきです。
 そういう意味では、今年の「4.9反核燃の日」には、多く仲間が結集していただ
き、日本の核燃料サイクル政策の過ちを再確認する必要があります。そのために、青森
市内で、下記の集会を予定しています。
是非、全国の皆さんの参加をよろしくお願いします。 
 


1.2009年「4.9反核燃の日全国市民集会」
 主催 2009年「4.9反核燃の日全国市民集会」実行委員会
 日時 4月4日(土)午前10時30分〜午後1時30分
 会場 青森市・青森市民ホール(旧ぱるるプラザ)
    青森駅を背中にして右へ約300m
 賛同 別紙振り込み用紙で、
    個人賛同1口1000円、団体賛同1口3000円を申し受けます。
     郵便振替口座番号は 02350−6−6797
 入場無料(カンパを受付ますので、宜しくお願いします。)
    集会関係者は午前9時30分までに集合ください。     
   午前10時   受付開始
   午前10時30分 開会挨拶
   午前10時40分 青森県内状況報告(山田清彦さん)
     午前11時     台湾の反原発運動(李秀容さん)(台湾環境権益促進会)
    午前12時 各地報告     (事前に受付に申し出て下さい)
   午後1時15分 集会アピール(案)採択
  4月7日県に要請書を提出予定
   午後1時25分  閉会挨拶 午後1時30分 終了
    呼びかけ共同代表  浅石紘爾、今村修、坂井留吉、澤口進、平野良一
    なお、李秀容さんは台湾からお見えですので、皆さんの積極的なカンパをお願
    いします。

    午後1時30分からは食事をしていただき、午後2時からの下記集会にも参加
    ください。

2.「4.9反核燃の日」全国集会
 主 催  止めよう再処理!全国実行委員会等
 日 時  2009年4月4日(土)14時00分―16時00分
 場 所  青森市・青森駅前広場(青森駅から見て右側の広場公園です)
 主催者  止めよう再処理!全国実行委員会等
 集会内容 集会(60分)とデモ行進(60分)スタート地点まで移動して、青森文
      化会館までデモ行進の際には、目立つ小道具も必要です。横断幕、のぼり
      等をご用意ください。

3.反核燃の日全国交流集会
 主 催  原水禁国民会議
  日 時  2009年4月4日(土)16時00分―18時00分
 場 所  青森市文化会館大会議室
 集会内容 講演・報告等
      澤井正子(高レベルガラス固化体の製造不調について)(仮題)
      松山力(六ヶ所活断層の問題点)(仮題) 
           
 是非ご参加下さい


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