これまで見てきたように、ヒバ作業の労働者を人間と思わないような、差別に寄って
成り立っているのが原子力産業である。
青森県内の雇用を確保することを最大の理由として、三村知事は、法律に定められた
許容線量以内の労働でも沢山の死傷者が出ていることを認識した上で、そのような被ば く作業を必要とする原子力産業に就職を斡旋することが、青森県民の命と健康を守るこ とにつながるのかどうかを、自らに改めて問い直していただきたい。
また、日本原燃の事業を後押しする被告には、許容線量基準を大幅に下げて死傷者が
出ないようにすることを手がけ、その線量基準では原子力産業や再処理工場等の経済性 が保てないというのであれば、原子力産業から早急に手を引くことを要請したい。
六ヶ所再処理工場は、これまでも被ばく者を生み出してきたし、これからも生み出し
ていくことで操業を確保する施設である。もし、六ヶ所再処理工場から労働者が全員逃 げ出してしまったら、これまで溜め込んだ放射性物質が施設を破壊して、環境に害毒を もたらせることは間違いない。それゆえに、周辺環境に大きな被害をもたらすことがな いように、被ばくすることが分かっていながら就職せざるを得ない、という使命感があ る方には感謝しなければならない。
だが、今就職している面々は、県内の他の企業に比べて給料が良いことが最大の理由
である。ただし、日本原燃が今あるのは、電力会社や他の企業からの出資金があるから であり、企業として黒字を保っているわけではない。
再処理工場の操業に躓けば、電力会社からの出資金も目に見えて減り、倒産も間違い
がない。そのような企業に、高校を卒業した直後の若い世代が勤め、被ばくさせられて いるのが現状である。
自然豊かな青森県は、再処理工場が日常的に放出する放射能とは共存できないのであ
る。今からでも遅くない。本格操業によって、敷地内外の人々を被ばくさせる再処理施 設から撤退して、自然と共存する道を模索することが、青森県民の願いである。
以上のことから、再処理工場の安全審査では対象とされていない被ばく労働について
も、被告が真摯に見直しして、被ばく者なしに操業し得ない再処理工場の安全審査を行 い、その全ての作業が終わるまでは再処理工場の操業を認めないことを強く要請するも のである。
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5.漏水プールによる被ばく者の死亡
8.被ばく労働をなくすため、原子力産業と決別せよ
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